ダイボサツミミズ

 フトミミズ科 > アズマフトミミズ属 > ダイボサツミミズ Amynthas silvaticus (Ishizuka, 1999)

Pheretima silvatica Ishizuka, 1999b: 46; Nakamura, 1999: 59; 石塚, 2001: ##.

  Amynthas silvatica [sic] 上平, 2016b: 21.

タイプ標本

タイプ産地:Mt. Daibosatsu-toge(山梨県甲州市 大菩薩峠)

タイプ標本所在地:ホロタイプ 国立科学博物館(NSMT-An-251)

         パラタイプ 国立科学博物館(NSMT-An-252)

形態

<外部形態>

 全長 60–80 mm、体幅 4.0–5.8 mm、体節数 69–93。

 体色は、背面は赤褐色で、腹面は灰白色。

 剛毛数は、第 7 体節で 50–54 本、第 20 体節で 50–58 本。

 第一背孔は第 11/12 体節間溝に開口する。

 受精嚢孔は 2 対で、第 6/7/8 体節間溝に開口し、受精嚢孔間距離は体周の約 1/3。性徴は環帯前と環帯後の双方にあり、第 8 体節(まれに第 7 体節)の剛毛線より前に 1 対あり、第 17–19 体節(まれに第 20 体節)の剛毛線より前に 2–4 対の小粒型性徴がある。環帯は第 14–16 体節を占める。雌性孔は第 14 体節の腹面中央に開口する。雄性孔は突出型で、第 18 体節に開口し、雄性孔間距離は体周の約 1/3。

 

<内部形態>

 隔膜は、第 5/6/7/8 体節ではやや厚く、第 8/9/10 体節で欠き、第 10/11/12/13/14 体節で繊細。

 腸管は第 15 体節から開始する。腸盲嚢は指状型で、4-6 本の小嚢に別れ、第 27 体節に開口し、前方に 3–4 体節分伸びる。

 受精嚢は 2 対で第 7–8 体節にあり、主嚢はシャベル型で導管を持ち、副嚢の嚢状部は長く捻れ、導管を持つ。2 タイプの生殖腺があり、瓶状単生殖腺と、瓶状複生殖腺の両方を持つ。貯精嚢は大きく、第 10–11 体節に広がる。摂護腺はとても大きく、第 17–22 体節に広がる。

 

 

 

分布

 山梨県と静岡県で記録されている(Ishizuka, 1999b; 石塚, 2001; 上平, 2016b)

 ただし、分布は遠く隔絶しているため、静岡県のものが本当に本種と言えるのか、今後の検証が必要である(南谷, 私見)

図 これまでに出版された文献に基づく、ダイボサツミミズの分布確認地点。


備考

 Blakemore(2003)はハンモンミミズの、Blakemore(2003addenda, 2010a, 2012b)はハンモンミミズを含めてタッピミミズのシノニムにした。性徴の分布が異なるため別種だと考えられるが、タッピミミズのトポタイプ標本を得て形態学的・分子系統学的再検討が必要である。

引用文献

Blakemore RJ, 2003. Japanese earthworms (Annelida: Oligochaeta): A review and checklist of species. Organisms Diversity and Evolution 11: 1-43.

Blakemore, R.J., 2012b. Japanese earthworms revisited a decade on. Zoology in the Middle East 58 suppl 4: 15-22.

Ishizuka, K., 1999b. New species of the genus Pheretima s. lat. (Annelida, Oligochaeta, Megascolecidae) from Tokyo, Japan- species with manicate intestinal caeca. Bulletin of the National Science Museum (Japan). Series A. Zoology 25(1): 33-57.

石塚小太郎, 2001. 日本産フトミミズ属 (Genus Pheretima s. lat.) の分類学的研究. 成蹊大学一般研究報告 33(3): 1-125.

上平幸好, 2016b. 中部地方における陸棲貧毛類の調査報告 V. ー静岡県で採集された種類と分布ー. 函館短期大学紀要 42: 19–29.

Nakamura Y, 1999. Checklist of earthworms of Pheretima genus group (Megascolecidae: Oligochaeta) of the world. Edaphologia 64: 1-78.