タンショクミミズ

 フトミミズ科 > アズマフトミミズ属 > タンショクミミズ Amynthas lacteus (Ishizuka, 2000)

Pheretima lactea Ishizuka, 2000a: 28; 石塚, 2001: ##; 南谷ら, 2012: 38; 柳戸・柳戸, 2016: 39; 南谷, 2016c: ##.

  Amynthas lacteus 安藤ら, 2007: 124, 2008a: 201.

タイプ標本

タイプ産地:Sayama Park(東京都東村山市 狭山自然公園)

タイプ標本所在地:ホロタイプ 国立科学博物館(NSMT-An 308)

         パラタイプ 国立科学博物館(NSMT-An 309)

形態

<外部形態>

 全長 80–120 mm、体幅 4.0–5.2 mm。体節数 112。

 体色は、背面は明白褐色で、腹面は明白褐色。

 剛毛数は第 7 体節で 40–44 本、第 20 体節で 52–56 本。

 第一背孔は第 12/13 体節間溝または第 11/12 体節間溝に開口する。

 受精嚢孔は 4 対で、第 5/6/7/8/9 体節間溝にあり、受精嚢孔間距離は体周の約 1/3。環帯は第 14–16 体節を占める。雌性孔は一つで、第 14 体節の腹面中央に開口する。雄性孔は突出状型で、中程度のサイズの円形平板状で、第 18 体節に開口する。雄性孔間距離は体周の約 1/3。性徴は大きな吸盤状型で、第 19–21 体節の剛毛線より後ろにある(原記載の文章中では剛毛線の前と記述されているが、図には剛毛線の後ろに描かれている)。

 

<内部形態>

 隔膜は、第 5/6/7/8 体節間と第 10/11/12/13/14 体節間ではとても厚く、第 8/9/10 体節間では欠く。

 腸管は第 15 体節から開始する。腸盲嚢は突起状型で、第 27 体節に開口し、3–5 体節前方へ伸びる。

 受精嚢は 4 対で、第 6–9 体節にある。主嚢はシャベル型で、太い導管を持つ。副嚢の嚢状部は太い管状で、導管は捻れる。貯精嚢は背面を第 11–12 体節まで広がる。摂護腺の導管は雄性孔に接続する。生殖腺は大きな胞状で、第 19–21 体節にあり、性徴につながる。

 

 

分布

 埼玉県、東京都、山梨県から記録されている(Ishizuka, 2000a; 石塚, 2001; 安藤ら, 2007, 2008a; 南谷ら, 2012; 柳戸・柳戸, 2016; 南谷, 2016)

図 これまでに出版された文献に基づく、タンショクミミズの分布確認地点。


備考

 Blakemore(2003、2012b)は疑問符付きでコクショクミミズのシノニムとしている。

 腸盲嚢の形や、体長、体色、性徴の分布など様々な側面で異なるため、コクショクミミズとは別種だと考えられる。今後の形態学的・分子系統学的再検討が必要である(南谷, 私見)。それまでは、とりあえず別種とみなしておく方が良い。

引用文献

安藤麻菜, 菅原泉, 河原輝彦, 2007. 林相の違いによるミミズの現存量と種組成. 関東森林研究 (58): 123-126.

安藤麻菜, 山中理恵子, 米山枢, 菅原泉, 上原厳, 佐藤明, 2008a. 林齢の異なるスギ人工林におけるミミズの個体数密度と種組成. 関東森林研究 (59): 199-202.

Blakemore RJ, 2003. Japanese earthworms (Annelida: Oligochaeta): A review and checklist of species. Organisms Diversity and Evolution 11: 1-43.

Blakemore, R.J., 2012b. Japanese earthworms revisited a decade on. Zoology in the Middle East 58 suppl 4: 15-22.

Ishizuka K, 2000a. New species of the genus Pheretima s. lat. (Annelida, Oligochaeta, Megascolecidae) from Tokyo, Japan- part IV. species with simple intestine caeca (2). Bulletin of the National Science Museum (Japan). Series A. Zoology 26(1): 13-33.

石塚小太郎, 2001. 日本産フトミミズ属 (Genus Pheretima s. lat.) の分類学的研究. 成蹊大学一般研究報告 33(3): 1-125. 

南谷幸雄, 2016. 秩父地方の大型陸棲貧毛類(ミミズ)相. 埼玉県立自然の博物館研究報告 10: 45-52.

南谷幸雄, 中村修美, 金子信博, 石塚小太郎, 渡辺弘之, 伊藤雅道, 2012. 埼玉県長瀞町の大型陸棲貧毛類相. 埼玉県立自然の博物館研究報告 6: 37-42.

柳戸信吾, 柳戸拓磨, 2016. 外秩父山地の大型陸棲貧毛類(ミミズ)相. 埼玉県立自然の博物館研究報告 10: 37-44.