カッショクフトミミズ

 フトミミズ科 > カッショクフトミミズ Pheretima fulva Ishizuka, 2000

Pheretima fulva Ishizuka, 2000a: 21.

タイプ標本

タイプ産地:Mt. Higashi-Kurume City(東京都東久留米市)

タイプ標本所在地:ホロタイプ 国立科学博物館(NSMT-An 302)

         パラタイプ 国立科学博物館(NSMT-An 303)

形態

<外部形態>

 全長 130–230 mm、体幅 4.5–6.5 mm。体節数 105–130。

 体色は、背面は暗褐色で、腹面は明黄灰色。

 剛毛数は第 7 体節で 36–40 本、第 20 体節で 44–46 本。

 第一背孔は第 12/13 体節間溝に開口する。

 受精嚢孔は 4 対で、第 5/6/7/8/9 体節間溝にあり、受精嚢孔間距離は体周の約 1/3。環帯は第 14–16 体節を占める。雌性孔は一つで、第 14 体節の腹面中央に開口する。雄性孔は突出状型で、中程度のサイズの円形平板状で、第 18 体節に開口する。雄性孔間距離は体周の約 1/3。性徴は第 6–9 体節の受精嚢孔に接して剛毛線より後ろ側に 1 対ずつある。

 

<内部形態>

 隔膜は、第 5/6/7/8 体節間と第 10/11/12/13/14 体節間ではとても厚く、第 8/9/10 体節間では欠く。

 腸管は第 15 体節から開始する。腸盲嚢は突起状型で、第 27 体節に開口し、3–5 体節前方へ伸びる。

 受精嚢は 4 対で、第 6–9 体節にある。主嚢は細いシャベル型で、長い導管を持つ。副嚢を欠く。貯精嚢は大きく、背面を第 11–12 体節まで広がる。摂護腺は第 17–20 体節または第 17–19 体節まで広がり、導管は雄性孔に接続する。生殖腺は胞状で、第 6–9 体節にあり、性徴につながる。

 

 

分布

 東京都の東久留米市と(Ishizuka, 2000a; 石塚, 2001)、皇居(石塚ら, 2014)からのみ記録されている。

図 これまでに出版された文献に基づく、カッショクフトミミズの分布確認地点。


備考

 Blakemore(2003, 2012b)はヘンイセイミミズのシノニムとしている。

 性徴の分布パターンや摂護腺、受精嚢の形態が異なることから、別種だと考えられる。今後、ヘンイセイミミズやセグロミミズなど突起状型・鋸歯状型の腸盲嚢と4対の受精嚢を持つミミズを含めた形態学的・分子系統学的再検討が行われるまでは、とりあえず別種としておく方が良い(南谷, 私見)

引用文献

Blakemore RJ, 2003. Japanese earthworms (Annelida: Oligochaeta): A review and checklist of species. Organisms Diversity and Evolution 11: 1-43.

Blakemore, R.J., 2012b. Japanese earthworms revisited a decade on. Zoology in the Middle East 58 suppl 4: 15-22.

Ishizuka K, 1999d. New species of the genus Pheretima s. lat. (Annelida, Oligochaeta, Megascolecidae) from Tokyo, Japan- part III. species with simple intestine caeca. Bulletin of the National Science Museum (Japan). Series A. Zoology 25(4): 229-242.

石塚小太郎, 2001. 日本産フトミミズ属 (Genus Pheretima s. lat.) の分類学的研究. 成蹊大学一般研究報告 33(3): 1-125.

 

石塚小太郎, 皆越ようせい, 伊藤雅道, 2014. 皇居の大型陸生貧毛類〜皇居の生物相調査 第II期の結果から. 国立科学博物館専報 50: 29-34.